導入効果
カッティング・システム導入にみる調理作業時聞の短縮率
カッティング・システム導入により、厨房での調理時間は実際にどのくらい短縮されているのでしょうか。
各種病院の厨房をサンプルとして①主作業、②附帯作業、③手持時間、④余裕時間の4つの調理区分に分け、タイムスタディ一法にて調査してみました。
その結果、表1のようにいずれの厨房ともカッティング前後において、主作業にそれぞれ16%の省力化を実現。また、主作業の中でも下処理作業において12~10%の短縮がみられました。さらに、カッティング前にみられなかった調理員の余裕時間がカッティング後に19~17%(90~80分)もできるようになり、職場環境の向上が実現しました。
- ①主作業・・・下処理、調理作業、盛り付け、下膳、洗浄
②附帯作業・・朝食配膳、牛乳瓶回収、食材検収、献立指導、洗米指導、配膳作業
③手持作業・・後始末、残食処理、清掃、身じたく
④余裕時間・・研修、清掃 - タイムスタディー480分(8時間)=100%として調理
<表1>調理作業時間のカッティング後の変化
外科・結核科グループ
作業区分 | カッティング | |
---|---|---|
前 | 後 | |
主作業 附帯時間 手持時間 |
68% 14% 18% |
53% 9% 21% |
余裕時間 | 0% | 17% |
計 | 100% | 100% |
外科・結核科グループ
作業区分 | カッティング | |
---|---|---|
前 | 後 | |
主作業 附帯時間 手持時間 |
68% 9% 22% |
53% 9% 21% |
余裕時間 | 0% | 17% |
計 | 100% | 100% |
カッティングによる野菜類のビタミンC破損もほとんど問題ありません。
使用頻度の高い野菜4品目を対象に、カッティング後15時間における野菜類のビタミンCの経時的変化を調査したところ、下表のようにホウレンソウを除く3つの野菜については、ビタミンC残存率が80%にのぼることが確認され、良好な結果が得られました。 ※野菜のビタミンCは季節、産地、試料の採取後の時間に影響されるので、その残存率で表しております。
カッティング野菜のビタミンC残存率(15時間後)
原食品 | 残存率 | 切裁型 | |
---|---|---|---|
ニンジン | 100% |
87.7% | たんざく切 |
キャベツ | 100% | 73.8% | 線切 |
ジャガイモ | 100% | 73.8% | さいの目切 |
ホウレンソウ | 100% | 25.2% | 2㎝しきし切 |